国際幸福デーである2026年3月20日(金・祝)、オンラインスピーチイベント「障害のある学生・若者による“わたしの幸せ”を語る日」を初開催しました。
障害のある学生・若者8人が、自分にとっての「幸せ」を語る本イベント。開催レポートをお届けします。
▼開催報告書はこちらからダウンロードください。
◆イベント概要
日時:2026年3月20日(金・祝)15時00分~17時00分
形式:オンライン
発表時間:1人6分程度(文字数1,500文字程度)
└ ハンドルネームでの参加登壇者対象:障害のある学生・若者(18歳~29歳程度)
※障害者手帳の有無は問いません。
<申込人数:57名>
※出場者8名、スタッフ2名除く
種別 | 申込 | 種別 | 申込 |
|---|---|---|---|
学校関係者 | 17 | 当事者家族 | 4 |
企業関係者 | 11 | 医療関係者 | 3 |
当事者 | 9 | 団体関係者 | 3 |
当事者友人/関係者 | 7 | 福祉関係者 | 3 |
◆イベント詳細
ーイベントの開会と進行説明
本イベントのスピーチテーマは、開催日である「国際幸福デー」にちなみ、「自分にとっての幸せ」と設定しました。
GATE-Cでは、当事者一人ひとりの声を届けることで、「知らない」ことから生じる誤解やすれ違いを減らしていきたいと考えています。観覧者の皆さまには、スピーチを評価するのではなく、勇気を出して語る出場者の言葉を「否定せず、違いをそのまま受け止め、温かい気持ちで聞く」姿勢をお願いいたしました。
イベントの進行とルール:
進行: 8名のスピーチ(1人6分)を連続で行い、途中でチャットでの感想共有タイムを設ける。その後、投票、出場者の感想コメント、共感賞発表にて終了予定。
スピーチ: カメラのON/OFFやスライド使用は自由。時間超過しても中断はしない(準備した内容を最後まで話す)。視覚に障害のある参加者への配慮として、スライドの内容を口頭で説明する。
共感賞: 観覧者の投票で決定する。評価基準は「共感したか」「心が動いたか」「印象に残ったか」に絞られ、話し方の上手さや時間の厳守は評価対象外とする。
投票: Webフォームを使用し、一人一票制。最も共感したスピーチとその理由、企画全体への感想を記入する形式。
ー出場者によるスピーチ「私の幸せ」
8名の出場者が「私の幸せ」をテーマに、それぞれの経験と想いを語りました。
1. こころと体の波と付き合いながら、穏やかに居心地よく暮らすための私の工夫|こーらる
双極性障害の診断を受け、心身の波に試行錯誤してきた経験を語りました。気分や体調を数値化・色分けして記録し、活動と回復のバランスを取ることで、ここ一年は強い躁状態にならずに過ごせています。自分を客観的に観察し、対処法を確立することで見つけた「穏やかさ」が幸せに繋がっていると述べました。
2. 私の就活のお供|YK
発達障害と軽度知的障害を抱える中での就活中、オンライン面接で「障害がある」と伝えた瞬間に面接官の表情の急変を経験。その痛みの中、支えとなったのが、アニメ鑑賞や動画編集といった趣味であったと語ります。「プリキュア」ファンであることを隠していた葛藤にも触れ、趣味を隠すことも開示することも、どちらも立派な推し活であると述べました。
3. 私と発達障害と幸福|しお
発達障害の受容に苦しんだ過去。アルバイトや新卒の仕事で心で上手くいかず、心が削れていく。当時の上司からの「障害を受け入れることは恥ではない」という言葉に救われ、手帳を取得。就労移行支援にも通い、上手く生きる方法を模索。現在は他者と比較しない自身の幸福の定義を見出し、「明日が来るのが楽しみ」と心から思えるようになった。
4. 障害特性があっても、一生懸命努力していれば周りも温かく支えてくれるはず|ぬぷり
吃音症と運動神経の障害がありながらも、茶道部や学祭運営委員会などの活動に挑戦した大学生活を語りました。周囲の配慮と自身の諦めない心で困難を乗り越えた経験に加えて、就職活動では就労移行支援を利用し、実習を通じて働きぶりを評価され内定を得ることができました。諦めずに挑戦し続けることの大切さを伝えました。
5. できるかではなく、どうしたらできるか──寝たきりでも世界を広げる思考と幸せに近づく暮らしの工夫|天羽 礼彩
重度重複障害によりほぼ寝たきりの生活を送りながらも、「できるかできないか」ではなく「どうしたらできるか」という思考を貫き、テクノロジーを活用して社会と関わり続けています。障害者の可能性は障害だけで決まるものではなく、周囲の環境と本人の工夫次第で広がると主張し、この考え方が幸せに近づく一歩になると語りました。
6. 大学教員に求める三箇条|せんち
大学時代に指導教員から受けたハラスメントにより、心身を壊し研究の道を断念した体験を告白しました。3つの具体的な提言「学生の心身を第一に指導せよ」「教員は教育者であると自覚せよ」「学生に何もかも求めるな」を行い、二度と自身のような犠牲者を出さないでほしいという強い願いを訴えました。
7. 「心のバリアフリー」を考える。|ゆう
先天性の身体障害を持つ当事者として、物理的なバリアフリーだけでなく「心のバリアフリー」の重要性を伝えました。自身が障害をオープンにし、周囲と積極的に関わることで心理的な壁を取り払ってきた経験を基に、健常者・障害者双方がオープンな気持ちで対話することの価値を強調しました。
8. 不安をゼロにするのではなく、不安と一緒でも進むACTの活用|のりお
脳出血を発症し半身麻痺となった経験を語りました。決められたレールから外れる不安に対し、心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を応用。「不安をゼロにするのではなく、不安を抱えたままでも自分の価値に沿って進む」と決意。障害という「リュック」を下ろすのではなく、背負ったまま自分らしく生きる幸福の形を提示しました。
◆共感賞の発表
全8名のスピーチ終了後、観覧者による共感賞の投票が行われました。
集計の間、出場者一人ひとりが発表を終えた感想を述べられました。「自分の経験を整理できた」「言いたいことを伝えられてよかった」といった達成感や、緊張したが無事に終えられた安堵の声が聞かれました。
集計の結果、最も多くの共感を集めた出場者に贈られる「共感賞」は、天羽 礼彩さんに決定しました。
天羽さんのスピーチには、「『できるかではなく、どうしたらできるか』という考え方にハッとさせられた」「障害の有無にかかわらず、思いやりと環境が大事だと気づかされた」といった、非常に多くの、そして熱意あるコメントが寄せられました。
受賞した天羽氏は驚きつつも、「聞いて終わりではなく、何か一つでも皆さんに活用していただけたら嬉しい」と語りました。
◆観覧者の感想コメント
当事者の方の生の声を聴くことはなかなかできないので、とても貴重だと思っています。お話しをしてくださった出場者の方々に感謝です。障害や病気と共にどうしていけばいいのか、悩んでいる人にとっても希望になると思いました。
それぞれ自分の障害や生活と向き合い、それを踏まえて今後、どうしていくか、どうしていって欲しいか、どうなって欲しいかを発表できていて、聞き応えのある時間になりました。一人一人の経験からくる思いや自分にとっての幸せを言語化し、伝えていくことで、私自身も少しでも今よりも社会や周りの環境が改善されれば嬉しいなと思います。
「明日が来るのが楽しみ」と言うのを聞いて、あれ、自分はどうかしらとドキッとしました。
皆、それぞれがそれぞれの考えをしっかり持っている、と感じました。好きな事、やってみたい事、希望がみられました。一人を選んで投票するなんて、なんて酷なルール・・・と思うほど、全員のスピーチに心を動かされました。一人でも多く聞いてほしい、そう思わせてもらえる素敵な企画をありがとうございます。
発表者の方に誘って頂き、このイベントを知り申し込みをしました。申し込みした段階では発表者の子のスピーチが聞ければ良いとだけ思っていましたが、どの発表者の方も素晴らしく全て聴き入ってしまいました。次回もこのイベントがあったら参加したいです。
本当に素敵な発表会だったなと思いました。本当は全員に投票したいぐらい皆さん素敵な発表をされているなと感じました、こんなに大勢の前で自己開示をするのは本当に勇気がいる事だと思います。そんな中で、発表をして頂いた8人の皆さんがとてもかっこいいなと感じました。そして、発表を聞く中で感じたのが、障害という先入観で見てしまう自分がいたので、そうではなく一人一人の個性を見ていきたいなと思いましたし、障害によって可能性が閉ざされない世界になってほしいなと思いました。
みなさんそれぞれ、時間をかけて、自分に向き合っておられた、また、現在も向き合っていることが印象的です。簡単なことではなく、とてもしんどいことでもあると思いますが、前を向けることとして、とても大切なことだと、改めて印象的でした。
もっともっとたくさんの人に広まって欲しいです。
皆さんが、自分自身に向き合って、こうして、知らない人にプレゼンする、これ、とても素晴らしい経験だと思います。皆さん一人ひとりが、「自分はよくやったよね、やってるよね」と褒めてあげて欲しいです。参加させていただいて、とても、いい時間でした!
周りの方の「幸福の軸」がとても聞けて私も幸せな気分になりました。どの方もご自分なりに幸せをみつけられたことに、素晴らしいなと思いました。お話を聞かせていただいて、ありがとうございました。これからの自分の生き方の参考にさせていただきます。
等身大のみなさんの声を聞けるとても貴重で尊い場だと思います。もっといろんな人に聞いてほしいと思いました。
◆次回イベントの予告
次回イベントとして、半年後の9月21日(国際平和デー)に、「障害のある学生・若者による私の安心を語る日」を開催することを発表しました。次回は作文審査を導入するなど、より準備を重ねた形式で実施する予定としており、既に出場者の募集を開始していることをご案内しました。
今後もこうした当事者の声を届ける場を継続していきたいとお伝えし、出場者・観覧者への感謝と共にイベントを締めくくりました。
※ご質問や不明点がございましたら、
GATE-C事務局(株式会社ここだな内)< career_assist@kokodana.co.jp >
までお気軽にお問い合わせください。
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