◆はじめに
かつて大学を休学し外出どころか布団から出るのも難しかった頃から、一人暮らしで就活をすることができるようになるまでにどのような回復ステップを踏んだのか振り返ろうと思います。
具体的な体験を書くことに重きを置いたので長くなってしまいましたが、よろしければお付き合いください。
◆自己紹介
文系学部生
高校生時に鬱病診断、休学中に双極性障害に診断変更
高校卒業後1年浪人、大学在学中に2年間休学
大学入学と同時に一人暮らし開始、休学に伴い帰省、復学後は再度徐々に一人暮らし
正社員内定
私は高2で鬱と診断され、医師の指示で高校在学中に浪人を決めました。したがって、高校在学時点で「周囲から遅れている」という状況にはある程度慣れていました。私の場合この「慣れ」によって、周囲から遅れていることそれ自体に対してそこまで大きなコンプレックスがなく、これは休学に踏み切るにあたって重要な要素でした。
◆ステップ①~③
復学直前~復学直後 ※本記事
◆復学直前(休学2年8か月目くらい~復学直前)
月に1度一人暮らしのアパートに3日ほど戻って用事を済ませる
週2回のアルバイト
中学生くらいのときにやっていたレベルの家事
(やるべきことを指示され、その日中に終わらせておく)
それまで休学中は衣替えのタイミングや学校の手続きで親と一緒に一人暮らしのアパートに行くことも多かったのですが、1人で用事を済ませられるように練習していきました。私にとって買い出しを含めた食事の準備と洗濯のハードルが高いので、洗濯物を持って帰れる日数だけの滞在に留め、食事は友達に声をかけて一緒に学食に行ってもらったりしていました。
また、体力作りのために知り合いのお店で短期アルバイトをしました。掃除や洗い物など雑務がメインで、週に2回ほど夕方3時間シフトに入れてもらいました。急な体調不良などで迷惑をかけずに働けるラインがそのくらいだと思ったので、条件の合うところが見つかったのは幸運だったと思います。
家の中では3食の食事+お風呂歯磨きなどの衛生保持がある程度安定してできるようになっていました。家事についてはもともと苦手なので全部自主的にはできないもの、指示が分からなくなることなどはなくなっていました。ただ、思考力をたくさん使う料理、大きな音が鳴る掃除機掛けは体力の消費が大きすぎるのでしていませんでした。
◆復学直後~半年
復学1年目はとにかく休学しなければならないほどの体調に戻らないことと、生活の中に「大学」という項目を入れることに慣れることを目標にしました。そのための対策が以下の点です。
体調が悪くなりかけているイエローカードライン、直ちにあらゆる予定をキャンセルして休養するレッドカードラインの兆候を整理する
思考力を使う料理、特性上体力の消費が大きいスーパーなどへの買い出しと掃除機がけは必要最低限にする
→ネットスーパーや宅配フードを活用、掃除機ではない掃除道具を使うアルバイトはしばらくしない
体調が悪くなってきたら動けなくなる前に学期途中でも一旦帰省するか親に来てもらう
履修登録した科目すべての単位を取ることは目指さない
大学の制度を使って合理的配慮の依頼文を発行する
カウンセリングルーム、学生課とそれぞれ定期的に面談する
復学に伴って通院先とカウンセリングルームを学校近くに変更する必要があったため、転院に向けて心理士の方と自分の行動パターンを分析し、体調が悪くなっているときの客観的な兆候をいくつか挙げてもらい新しいカウンセラーと共有しました。
また、体調が万全というわけではないので週に何度も決まった時間の労働をしながら毎日一人で家事を回すのは不可能だと判断し、アルバイトはしないことにしました。
家事についても、やることは最低限に抑える、できないことは外注するという視点を導入し、私にとって一番難しいかつ生存に直結する食事の準備を宅配などで補うことにしました。基本的に家で調理はせず、ネットスーパーで総菜やレンジで温める冷凍食品を購入し、食器は紙皿など使い捨てのものを使用して洗い物を減らしました。
授業についても初めから完璧を目指すのではなく、「とにかく一人での生活を回す→その中に徐々に大学を入れ込みとにかく卒業する」という方針でいました。
休学前と同じ量の科目を登録はしましたが、
①興味がある内容だから登録するもの
②卒業に必要だから登録するもの
③単位認定の基準が自分にとって有利だから登録するもの
を明確に区別し、最初の3週くらいまでに「学期中に体力が続かなくなった場合に切り捨てる順番」も決めました。復学直後のセメスターは20単位登録して4単位しか残りませんでしたが、「優先順位をつけて体調を見ながら諦める決断をする」という体験がなによりも大きな収穫でした。
また、復学のタイミングで、大学の制度を利用して各科目の担当教員に合理的配慮の依頼をしました。具体的には体調の関係で欠席や途中退室をするかもしれないことや、欠席した回の内容を自習するので質問させてほしい、発表や課題などのスケジュールがシラバスから大きく変わる場合は早めに知らせてほしいといったことを文面と口頭でお願いしました。
障害や病気によって単位認定の基準が変わったりはしませんが、事情を説明しておくことで欠席したら心証が悪くなるかもしれない、欠席した回の講義内容は質問しにくいというような心配が軽減され、自分の体調に応じて欠席数をコントロールする精神的負担が減りました。
上記のような単位の優先順位や合理的配慮、生活の工夫などはカウンセリングと大学の障害支援部の面談をそれぞれ定期的に受けて相談しながら決めていきました。とにかく外部に自分の状況を共有して一人きりにならないことで1人暮らしを継続することができました。
それでも、体力的に1人で生活し続けるのは正直この段階では難しく、休学直前のように生活が破綻してしまう手前で何日か実家に帰ったり、親に来てもらって家事を頼んだりということもよくありました。復学直後のこのときはセメスター最後の1か月~春休み期間はまるまる実家にいました。
布団からでられなかった私が一人暮らしで就活をするまでのスモールステップ③
(復学後半年~現在、今までを振り返って)はこちら
