◆はじめに(企画趣旨)
自分の保護者には、面と向かうと言いづらいことがあります。
本企画では、障害のある「先輩」学生が、
「自分の保護者」に対してではなく、
障害のあるお子様を持つ「後輩の保護者」に向けて、
「お子様の一番の理解者になって欲しい」という気持ちから
自分が、保護者にしてもらって
「嬉しかったこと」や「嫌だったこと」等を言葉にしています。
お子様とのより良いコミュニケーションに役立てていただければと思います。
◆先輩 自己紹介
神奈川県横浜市出身
2人兄弟の末っ子
東京の国立大学商学部4年
体育会の部活所属経験あり
大学生までは健常者として過ごし、私立中高一貫校から東京の国立大学に進学
その後事故に遭い左足を切断し車椅子生活になる
◆保護者との関わりで良かったこと
保護者との関わりで良かったこととしては沢山あるのですが、ここでは本企画の趣旨に沿って障害者となってからの関わりに限定してお話しします。
良かった点としては以下の2点が挙げられると思います。
①気持ちの面でのサポート
私は後天性の障害を負った身として、それまでの健常者としての生活と身体障害者としての生活のギャップを経験してきました。
その中でその変化を受け入れきれずに悩んでしまうことがありましたが、父や母は私が日常生活への復帰や友人との遊び、部活動への参加、就活活動ができるように、声掛けを通じて気持ち面のサポートを沢山してくれました。
ー特に私の親はどんな声掛けをしたら力になるのかを考えて行動してくれていたと思います。
私は「頑張って」と言われるのが苦手で、「すでに頑張ってるもん」と思っちゃう捻くれ者だったため、それを理解している親は「ゆっくりでいいから一歩一歩進もう」といったように安心できることを言ってくれました。
このようにその子に合った気持ち面のサポートをしてくれたことがありがたかったと私は感じています。
②思う存分活動できるようなサポート
私は事故により車椅子での生活を過ごさなければいけなくなり、日常生活において多数の障壁を経験しました。
その中で父や母が、私が日常生活や交友関係、就活等の活動をしやすいようにサポートをしてくれました。
具体的には自宅やその周囲が車椅子では生活をしづらい環境だったため、生活のしやすい環境に引っ越しをしてくれた点や、就職活動で対面のイベントに参加する際や、友人と遊ぶ際にアクセスの良いところまで送迎してくれるなどのサポートをしてくれました。
このように、私が日常生活や交友関係等で「こういったサポートがあれば動きやすい」という意見を常に汲み取って行動してくれた点は障害から立ち直る上で非常に大きな要因だったと感じています。
◆保護者との関わりで嫌だったこと
嫌だったことに関しては結論から言うと、特に思い当たりません。
しかし、上の良かったことに関連して、「もしこんなことがあったら嫌だった」といったことを考えると以下のようなことが挙げられると思います。
◇もしこんなことがあったら嫌だったこと
①本人の気持ちを考慮していない声掛け
上記「保護者との関わりで良かったこと>①気持ちの面でのサポート」の部分で、母や父が外に出ることを強要するような声掛け等の、私の気持ちを汲み取っていない行動をとっていたら苦しい気持ちになっていたかもしれないと感じます。
たしかに障害を負った後に早く日常生活に慣れることや社会復帰することは大事だと思いますが、本人の望まないペースを強要されてしまうとモチベーションの低下や揉め事などのネガティブな方向に進んでしまうと感じます。
②必要なサポートをしてくれない、そのためのコミュニケーションをとってくれない
上記「保護者との関わりで良かったこと>②思う存分活動できるようなサポート」の部分で、(もちろん経済面等で出来ない場合は除いて)必要なサポートをしてくれなかった場合や、どんなサポートが必要かのコミュニケーションをとってくれなかった場合には就職活動はおろか日常生活でも難しい点が多くなっていたと思います。
この点に関してはサポートをする保護者だけでなく、してもらう側も「サポートが得られることは当たり前ではない」ということを理解して行動する必要があると思います。
◆後輩の保護者の皆さまへ
正直に言えば、障害の種類、程度によって子供への接し方は100人いれば100通りのあるとおもいます。
しかし、その中でもその子にはどのようなサポートが最も適しているのかを考えて行動してあげることが最も大切なことではないかと私は考えています。
私が父や母にしてもらったサポートをとっても、それが他の子供にとっては正しいことではなかったかもしれないし、その障害を持つ子、その性格の子にはどんなサポートが必要かを考えてあげることが必要だと思います。
具体的に言えば、保護者の声掛けに関して私は「頑張って」と言われるのが苦手ですが、それが力になる子もいると思います。
また、私のような車椅子ユーザーであればバリアフリーな居住環境や移動手段の確保といったサポートが必要ですが、聴覚障害や視覚障害といった他の障害を持つ子供であればその障害によって必要なサポートが変わってくると思います。
子供と一緒にコミュニケーションをとって与えるサポートの最適解はなんであるのかを見出していくことが最も重要なことであると思います。
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