私は理系(機械系)の学部生で、脳出血の後遺症で左片麻痺があり、普段は膝下の装具と一本杖を使用して生活しています。
私はAVM(脳動静脈奇形)という生まれつき脳の血管に破れやすい部分があって、それが浪人期間中の19歳の時に発症(脳出血)しました。
発症のタイミングも、今の大学の入学試験を受けた2日後であったことや、その後1ヶ月近いICUでの治療があったことで、合格発表の確認から入学手続きまでを全て両親にやってもらうこととなりました。
そういった事情もあり、入学前の配慮申請を行っていなかったので、その後1年間の治療とリハビリを経た復学の際に自分がどういった大学の支援を受けられるかわからず、初めのうちは何度か担当教員にメールして、状況を個別に説明して相談を行っていました。
その後、大学にそういった学生を支援するサービスを教えてもらい、支援課を通して配慮事項の通達をしてもらうことになりました。
幸運なことに、私の通っている大学では障害学生を支援するサービスが昔からシステム化されて整っていました。
身体・精神共にそれぞれ専用のコーディネーターの方と必要な配慮事項について適宜相談して配慮の内容を決定することができ、必要なサポートがあればできる限り対応していただけるものとなっていました。
一方、支援課を通しても配慮文章で伝えられる情報には限りがあり、同じ配慮事項を説明しても、相手(教員側)の受け取り方や認識には大きな違いがあると感じました。
私が受けたサポート(一部)とそのサポートを受けた際に感じたことについて書いていこうと思います。
◆伝えた配慮事項の内容と実際に大学生活を送ってみて
①「障害のため、遅刻します」という配慮について
この配慮内容を申請した背景には、授業間の移動にかかる時間の問題がありました。
キャンパスの端から端まで移動が必要な連続した授業の際は、長距離の歩行に加えて、混みやすいエレベーターを利用しなければならず、15分の休み時間では次の授業に間に合わないことがありました。
そうした経験から、正直にその状況を伝えるために「障害のため、遅刻します」という文言を配慮事項として記載しました。
ところが、大学の制度上、申請した配慮内容は全ての授業に一律で共有される形になっており、特定の授業に限った配慮としては伝わりにくい面がありました。
そのため、別の(移動に問題のない)時間帯の授業の教員から、
「家を早く出るか、弁当を持参すれば解決できるので、遅刻は認めません」
と言われたことがありました。
私の意図が十分に伝わらなかったことが原因でしたし、相手の先生も教育者として「社会に出たときに必要な姿勢」を伝えたいという思いがあったのかもしれませんが、事情を十分に説明する前に「遅刻は認めません」と言われてしまうと、“努力不足”として見られているように感じました。
この言葉をきっかけに「この先生には自分の事情を理解してもらえないかもしれない」と思うようになり、その後は必要な相談もしづらくなってしまいました。
このことから、配慮の内容そのものよりも、相手の立場や人間性によって「どう受け止められるか」が異なることを実感しました。
そのため、その部分を意識して相手へのアプローチの方法を変えていかなければならないと感じました。
②相手は必ずしも配慮を行う余裕があるとは限らない
まず前提として伝えておきたいのは、「他者に気を配れる余裕があり、配慮(手助け)してくれる人がほとんどのため、そうでない人が目立つ」ということです。
だからこそ、配慮を受けられずに、周りと同じことが出来なかった時に記憶に残りやすいと思っています。
例えば、授業の内容とは関係がなく「出席の確認のためだけに、広い教室の前方まで名前を書きに来るように」と指示がされたことがあります。
混雑した教室の中を移動することが負担だったこともあり、「わざわざ意味のない移動をしたくない」と感じて行かなかったのですが、その結果、評価に影響したのではないかと感じることもありました。
その後に別の授業で同じようなことが起こった際に事情を伝えると「それは気づかなかった」とすぐに対応方法を変えてくださった先生もいれば、最初だけは対応してくださったものの、時間が経つと元のやり方に戻ってしまうこともありました。
そうした経験を重ねる中で、「配慮を行うこと自体が目的化してしまい、相手が一度配慮した自分に満足してしまっているのではないか」と感じるようになりました。
そう考えると、相手に配慮を行い続けてもらうための工夫も重要だと思うようになりました。
その後に似たようなことは何度も起きますが、障害を背負う身になってから感じた物の見方として、社会そのもののがどれだけ変わっても、その人個人の考え方が変わることはあまりないということです。
だからこそ、人と人との関わりの中でお互いが納得する形を目指していくという姿勢が大切だと感じています。
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